ClaudeのメモリはChatとCoworkで共有される?編集・削除まで実測検証

ClaudeのChatとCoworkでメモリが共有される範囲を示すイメージ AI仕事術

Claudeのメモリは、通常のChatとクラウド版Coworkの間で共有されます。Claude Pro・Windows 11の同一アカウントで試したところ、Chatで保存した内容をCoworkが取得し、Coworkで保存した内容も新しいChatから取得できました。ブラウザ版で作ったメモリはClaude Desktopにも同期しています。

ただし、保存済みでも質問の仕方によっては「不明」と回答しました。メモリ共有は確認できましたが、必要な情報を毎回自動で思い出すとは限りません。

本記事では、2026年8月31日から9月3日に実施した検証を基に、共有範囲、Topicsの編集・削除、センシティブな話題の設定を解説します。各条件は主に1回の結果であり、取得率を測定したものではありません。

Claudeのメモリ共有を実測した結論

今回の検証結果は次のとおりです。

確認項目 実測結果
ChatからクラウドCowork Chatで保存した架空コードをCoworkが取得した
クラウドCoworkからChat Coworkで保存した架空コードを新しいChatが取得した
ブラウザ版からDesktop ブラウザ版で作ったTopicがClaude Desktopにも表示された
メモリの編集 Chatから変更を依頼すると、SettingsのTopicへ反映された
メモリの削除 Topic削除後、新しいChatは「存在しない」と回答した
機微な話題がOFF 架空の健康情報を保存しなかった
機微な話題がON 架空の健康情報を保存し、ChatとクラウドCoworkが取得した

最も重要なのは、メモリに保存されていることと、質問したときにその内容が回答に使われることは別だという点です。一般的な聞き方では取得できず、Topic名や保存項目を明示すると取得できた例がありました。

公式仕様ではChatとクラウドCoworkが一つのメモリを使う

Anthropicは2026年8月25日、ClaudeのメモリがChatとクラウドで実行するCoworkの間で共有されると発表しました。Chatで覚えた内容をクラウド版Coworkが利用し、Coworkで扱った内容もChatへ戻る仕様です。

一方、パソコン上でローカル実行するCoworkセッションは共有メモリを使いません。今回試したのも、ブラウザで利用するクラウド版Coworkです。フォルダやコネクタは指定していません。

メモリは「Settings(設定)→ Memory → Topics」で確認できます。公式案内では、Free・Pro・Maxはメモリが既定で有効、Team・Enterpriseは既定で無効です。ただし、Cowork自体を利用できるかはアカウントや提供状況を画面で確認してください。

検証条件

過去チャット検索と保存メモリを混同しないよう、チャット検索をOFFにして検証しました。

項目 条件
実施日 2026年8月31日~9月3日
プラン Claude Pro
OS Windows 11
利用面 ブラウザ版Claude、ブラウザ版クラウドCowork、Claude Desktop
アカウント 同一アカウント
チャットを検索・参照 OFF
チャットからメモリを生成 ON
試験データ 実在人物と無関係な架空コード、架空の健康情報

ブラウザ名は記録していないため、ブラウザごとの差は検証していません。モバイル版、別アカウント、ローカル実行Coworkも対象外です。

Chatで保存したメモリをクラウドCoworkから取得できた

最初にブラウザ版Chatで、記事検証用の架空コードをメモリへ保存するよう依頼しました。Claudeは保存したと回答し、SettingsのTopicにもコードが追加されました。

次にブラウザ版クラウドCoworkを新しく開き、過去チャットを検索せず、現在のメモリだけで同じコードを答えるよう依頼しました。Coworkは「2件のメモリを読み取りました」と表示し、正しいコードを回答しました。

この試験ではフォルダもコネクタも設定していません。少なくとも今回のPro環境では、Chatの保存メモリをクラウドCoworkが参照できました。

ブラウザ版クラウドCoworkがChat起点の架空コードを取得した画面
ブラウザ版クラウドCoworkがChat起点の架空コードを取得した画面

Coworkで保存したメモリも新しいChatから取得できた

逆方向も確認するため、Coworkから既存Topicとは別の検証専用Topic「Zp Memory Test」を作り、別の架空コードを保存しました。Settingsを開くと、独立したTopicとコードが表示されました。

新しいChatでTopic名と項目名を指定してコードだけを尋ねた1回目は、「不明」という回答でした。しかし、さらに別の新しいChatで「Zp Memory Testの概要と詳細を省略せず表示してください」と依頼すると、正しいコードとsources:[cowork]が表示されました。

CoworkからChatへの共有は成功しましたが、短い質問だけで確実に呼び出せるとは判断できません。重要な前提を使わせたい場合は、Topic名や記憶させた項目を具体的に指定した方が確認しやすい結果でした。

Cowork起点のTopicをブラウザ版Chatが取得した画面
Cowork起点のTopicをブラウザ版Chatが取得した画面。初回の質問では「不明」と回答した

ブラウザ版のTopicはClaude Desktopにも同期した

ブラウザ版Coworkで作った「Zp Memory Test」は、Windows 11のClaude DesktopにあるSettingsにも同じ内容で表示されました。Desktopの新しいChatからTopic全体を尋ねても、Cowork起点のコードを取得できました。

この結果から、今回の同一アカウントではブラウザ版とDesktop版でTopicが同期していたといえます。ただし、別アカウント間の共有を示すものではありません。

ブラウザ版Coworkで作成したTopicがClaude Desktopにも同期した画面
ブラウザ版Coworkで作成した検証用TopicがClaude Desktopにも同期した

Claudeのメモリを編集する方法

公式ヘルプでは、SettingsのTopicを開き、編集アイコンから内容を変更できると案内されています。しかし、今回のClaude Desktop画面では、概要・詳細と削除ボタンは見えたものの、編集アイコンを確認できませんでした。

そこでDesktopのChatから、検証用Topic内のコードを新しいコードへ置き換えるよう依頼しました。Claudeは変更前と変更後のコードを回答し、Settingsを開き直すとTopicのコードも新しい内容へ置き換わっていました。

画面上に編集操作が見当たらない場合でも、Chatで対象Topicと変更内容を明示する方法は使えました。変更後はClaudeの回答だけで終わらせず、SettingsのTopicへ反映されたか確認してください。

Chatから変更したコードがSettingsのTopicへ反映された画面
Chatから変更したコードがSettingsのTopicへ反映された画面

Topicを削除すると新しいChatから取得できなくなった

「Zp Memory Test」の削除ボタンを押すと、「この操作は元に戻せません」という確認画面が表示されました。削除を確定するとTopicは一覧から消えました。

その後、別の新しいChatで現在のメモリだけを使ってTopicの存在を尋ねると、「存在しない」と回答しました。今回の試験では、Topicの画面上の消失と、新しい会話から取得できないことの両方を確認できました。

会話を削除することと、保存メモリを削除することは同じではありません。公式ヘルプでも、元の会話が削除・期限切れになっても関連メモリは自動削除されず、不要なメモリは個別に削除できると案内されています。

Topic削除後に新しいChatが存在しないと回答した画面
Topic削除後、新しいChatが「存在しない」と回答した画面

センシティブな話題は設定OFFとONで結果が変わった

Claudeには「機微な話題をメモリーに含める」という設定があります。健康、信念、人種・民族、政治、性自認などは既定では保存対象外です。

今回は実在人物の情報を使わず、「ブルーリーフ症候群」という架空の健康情報と確認コードで比較しました。

設定 保存依頼への反応 新しいChat クラウドCowork
OFF 健康情報は対象外として保存しなかった 「保存されていない」と回答 未実施
ON 独立Topicへ保存した 正しいコードを取得 正しいコードを取得

OFFのときは、架空設定であると説明しても保存されませんでした。ONへ変更するとSettingsに独立Topicが作られ、Desktopの新しいChatとブラウザ版クラウドCoworkの両方がコードを取得しました。

つまり、機微な話題の設定はChatだけでなく、共有先のクラウドCoworkで参照される可能性にも関係します。ONにする前に、継続して記憶させる必要が本当にあるか確認した方がよいでしょう。

機微な話題OFFで架空の健康情報を保存しなかった画面
機微な話題OFFでは架空の健康情報を保存しなかった
機微な話題ONでクラウドCoworkが架空コードを取得した画面
機微な話題ONではクラウドCoworkが架空コードを取得した

OFFにするときの表示は公式説明と実画面で差があった

検証後に機微な話題をOFFにすると、Claude Desktopには次の2択が表示されました。

  • 一時停止:既存のセンシティブな記憶を保持し、新しい記憶を追加しない
  • リセット:センシティブな話題に関する記憶を完全に削除する

一方、2026年9月3日に確認した公式ヘルプには、設定を後からOFFにすると既存のセンシティブ項目を削除するという説明もあります。同じ公式ページ内には、組織ユーザー向け説明として「OFFにして新規保存を止める」という記述もあります。

今回の画面では一時停止とリセットが分かれていましたが、この表現差の理由までは確認できませんでした。既存記憶を消したい場合は、OFF表示だけで判断せず、対象Topicの有無と選択肢を確認してください。なお、今回の検証用Topicは個別に削除したうえで、機微な話題をOFFへ戻しています。

センシティブな話題をOFFにするときの一時停止とリセットの選択画面
Desktop版では既存記憶を保持する一時停止と、完全削除するリセットが表示された

ClaudeとChatGPT Project-onlyメモリの違い

ClaudeとChatGPTでは、今回確認した記憶の広がり方が異なります。

観点 Claudeの今回の実測 ChatGPT Projectsの既存実測
共有範囲 通常ChatとクラウドCoworkで双方向共有 デフォルトProjectと通常Chatは相互参照
隔離 クラウドCoworkをまたいで共有 Project-onlyは対象Project内に限定
編集 Chatから変更し、Settings反映を確認 記憶項目を同条件では比較していない
削除 Topic個別削除と削除後の非取得を確認 記憶項目を同条件では比較していない
機微な話題 OFFとONを比較 同条件の比較は未実施

Claudeは、通常ChatとクラウドCoworkで同じ前提を使いたいときに便利です。反対に、業務ごとに記憶を分けたい場合は、共有範囲を意識する必要があります。

ChatGPTのProject-onlyメモリは、先日の検証では限定Project内だけで記憶を参照し、別Projectや通常Chatからは取得しませんでした。業務単位で文脈を分けたい場合の選択肢です。詳しい結果は「ChatGPT Projectsの使い方|継続業務を途中から再開する方法」で解説しています。

ただし、どちらも機密情報の保存を保証するセキュリティ境界とは表現できません。パスワード、口座番号、顧客の個人情報などは、便利だからという理由だけでメモリへ入れないでください。

Claudeのメモリを使う前に確認すること

Claudeのメモリを仕事で使う場合は、次の順で確認すると管理しやすくなります。

  1. SettingsのMemoryで「チャットからメモリを生成」がONか確認する
  2. 過去チャット検索と保存メモリを区別して試す
  3. ChatとCoworkのどちらで使う前提か決める
  4. 保存後にTopicsを開き、内容と混入情報を確認する
  5. 重要な情報を呼び出すときはTopic名と項目を明示する
  6. 変更後はTopicsへの反映を確認する
  7. 不要になったTopicは個別に削除し、新しいChatでも確認する
  8. 機微な話題をONにする前に、共有先と削除方法を確認する

「Claudeが保存したと回答した」だけでは、意図したTopicへ正しく入ったか分かりません。Settingsでの確認と、新しい会話からの読み出しをセットにするのが重要です。

よくある質問

Claude ChatのメモリはCoworkでも使えますか?

クラウドで実行するCoworkとは共有されます。今回のClaude Pro環境でも、Chatで保存した架空コードをブラウザ版クラウドCoworkが取得しました。ローカル実行Coworkは公式上、共有メモリの対象外です。

Coworkでフォルダを指定しなくてもメモリを使えますか?

今回の試験では、フォルダやコネクタを指定せずにChat起点のメモリを取得しました。ただし、すべてのタスクで同じ結果になるとは断定できません。

メモリに保存されていれば必ず回答できますか?

必ずとはいえません。今回も一般的な質問では「不明」となり、Topic名や内容を具体的に指定すると取得できた例がありました。

Claude Desktopとブラウザ版でメモリは別ですか?

今回の同一アカウントでは、ブラウザ版で作ったTopicがClaude Desktopにも同期しました。別アカウント間の共有は検証していません。

センシティブな話題をONにしてもよいですか?

繰り返し説明する必要性と、Chat・クラウドCoworkへ共有される影響を確認してから判断してください。今回の実測では、ONで保存した架空の健康情報を両方から取得できました。

まとめ

Claude Pro・Windows 11で試した結果、Claudeのメモリは通常Chatとクラウド版Coworkで双方向に共有され、ブラウザ版とClaude Desktopにも同期しました。Chatからの編集、Topicの個別削除、センシティブな話題のOFF・ONも画面上で確認できました。

ただし、保存済みのメモリでも質問の仕方によって取得できない場合がありました。仕事で使うなら、Topic名を明示して呼び出し、変更や削除の後はSettingsと新しい会話の両方で確認してください。

ChatとCoworkで前提を共有したいならClaudeの横断メモリ、仕事ごとに文脈を隔離したいならChatGPTのProject-onlyメモリという違いが、今回の実測から見えました。便利さだけで選ばず、どこまで記憶を広げたいかで使い分けることが重要です。

この記事を書いた人

2025年3月から、生成AIを活用したWebサイト運営に取り組んでいます。これまでに3つのWebサイトを運営し、プロンプト設計、記事構成、内容確認、編集を行いながら、AIを活用して約1,000記事を制作してきました。WordPress運営、SEO、市場調査、Search Console分析、Web開発などに生成AIを実務利用しています。ZenoPlusでは、AIの出力をそのまま公開せず、一次情報、実際の操作結果、原稿内容、公開前の最終状態を運営者が確認しています。

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